2021年5月15日 (土)

『日米仏豪の艦艇、東シナ海航行 画像公開で結束アピール』

日米仏豪の共同訓練で、編隊を組んで航行する艦艇=14日、東シナ海(海上自衛隊提供)© KYODONEWS 日米仏豪の共同訓練で、編隊を組んで航行する艦艇=14日、東シナ海(海上自衛隊提供)

 自衛隊が米国、フランス、オーストラリア各国と実施中の離島防衛訓練「アーク21」で、海上自衛隊は14日、東シナ海で艦艇が編隊を組んで航行する画像を公開した。この4カ国が東シナ海でそろう訓練は初めて。結束をアピールし、沖縄県・尖閣諸島や台湾の情勢を巡り緊張関係にある中国を強くけん制する狙いとみられる。

 陸上自衛隊も14日から宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島演習場でフランス陸軍、米海兵隊との訓練を始めた。15日には、九州西方沖の艦艇から演習場に部隊を送り込む水陸両用作戦の訓練をする予定だ。

 「アーク21」は11~17日の日程で、4カ国の計11隻が参加している。

『阪神・ロハスはデビューから16打席連続無安打』

阪神・ロハスはデビューから16打席連続無安打 ついにバースも超えてワースト単独2位

8回、ロハスは捕邪飛に倒れる(撮影・佐藤厚)

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 「巨人-阪神」(14日、東京ドーム)

 阪神の新助っ人、メル・ロハス・ジュニア外野手(30)=前韓国・KT=がデビュー以降16打席連続無安打となり、83年のバースを超え、ワースト2位となった。昨年ワースト記録を作ったボーアまで、あと2となってしまった。

 1点を追う八回、2死一、二塁。高梨に対して右打席に立ったが、捕邪飛に倒れた。

 阪神新外国人のデビューからの連続打席無安打ワースト記録は以下の通り。

【1位】2020年・ボーア=18打席

【2位】2021年・ロハス=16打席

【3位】1983年・バース=15打席

【4位】2009年・メンチ=12打席

【5位】1964年・ベルトイア=11打席

【6位】2004年・キンケード=10打席

【6位】2008年・フォード=10打席

外部サイト

『「人間じゃない」「ケタ外れ」大谷翔平の片手グリーンモンスター越えに仰天』

 

<レッドソックス4-3エンゼルス>◇14日(日本時間15日)◇フェンウェイパーク

エンゼルス大谷翔平投手(26)の逆方向片手グリーンモンスター越え本塁打に、驚愕(きょうがく)する声が続出した。

レッドソックスの試合中継を行うNESNの解説者とアナウンサーは「片手で、軽く振っただけで逆方向に、塀を越した。とんでもないパワー」とぼうぜんとした口ぶりで実況。ツイッターでは、MLB公式アカウントが本塁打の動画とともに「ショウヘイは人間じゃない」とコメントを投稿した。野球ポッドキャスト「ベースボールバーベキュー」の公式アカウントは「これまで見た中で最もクレイジーなモンスター越え。オオタニはケタ外れだ」と投稿し、ファンからは「ただただあり得ない」「グリーンモンスターが無力に見える」のコメントが寄せられた。

MLB公式データの「スタットキャスト」によると、ビジターチームの選手が逆方向にグリーンモンスター越えを放ったのは、今季は大谷が初。昨季は1人のみ、19年は4人、18年は3人だったという。

▼大谷がレッドソックスの本拠地フェンウェイパークで本塁打。同球場で日本人選手の本塁打は、昨年8月12日の筒香(レイズ)以来5人目(14本目)。「グリーンモンスター」越えの1発を打ったのは、05年8月12日の井口(ホワイトソックス)08年5月3日、6月3日の岩村(レイズ)以来13年ぶりで、左打者では岩村に次いで2人目だ。ちなみに、松井秀喜は同球場で日本人最多の9本塁打を打っているが、右越え7本、中越え2本で「グリーンモンスター」越えの1発はなかった。

6回、左翼のグリーンモンスター越えの11号ソロを放ったエンゼルス大谷(AP)© 日刊スポーツ新聞社 6回、左翼のグリーンモンスター越えの11号ソロを放ったエンゼルス大谷(AP)

『大谷翔平の二刀流挑戦をNYタイムズ紙が称賛特集』

エンゼルス・大谷翔平(AP)© 中日スポーツ 提供 エンゼルス・大谷翔平(AP)

 米紙「ニューヨーク・タイムズ」は14日、エンゼルスの大谷翔平選手(26)の二刀流での活躍を地元球団ヤンキースで活躍したベーブ・ルースになぞらえて称賛する特集記事を掲載した。

 「大谷翔平が解き放たれた」と題した記事をコラムニストのスコット・ミラーが執筆。記事は「亡くなって72年の時を経て、再びベーブ・ルースに光が当たっている」の言葉で始まり、大谷が今季は登板日の前後だけでなく登板当日も打者としてスタメンに名を連ねていることを紹介。4月26日のレンジャーズ戦ではホームランキングに立ったまま先発として登板し、ベーブ・ルース以来の快挙を達成したことをあらためて説明した。

 さらに「彼にはユーモアのセンスもある」と野球以外の一面も紹介。日本ハム時代にクラブハウスにあった小さなドローンをチームメートの頭の上に乗せようとしたエピソードを披露し、「ただ、野球になると誰よりも熱心だ」とした。

 記事では日本ハムで入団交渉を担当したスカウトが、ミケランジェロやアインシュタインのように何でもできる天才と評価していたとして、「専門性の時代にエンゼルスと大谷は打者に投手にとあっちこっちしている。創造的な天才の周りにフェンスを囲う必要があるだろうか?」と大谷の二刀流挑戦に好意的な意見をつづった。

2021年5月13日 (木)

『コロナ発症から退院までの3週間「30代・基礎疾患なしでも地獄の日々」』

コロナ発症から退院までの3週間「30代・基礎疾患なしでも地獄の日々」

コロナ発症から退院までの3週間「30代・基礎疾患なしでも地獄の日々」
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38度以上の高熱が1週間以上続いた
―[メンズファッションバイヤーMB]―

メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。普段は洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。

◆▼4月18日から高熱、コロナ闘病の3週間

各種SNSなどでも報告している通りですが、私、MBは4月18日発症にてコロナ陽性と診断され、2週間の入院生活、発症から3週間かけて退院に至りました。

「コロナになったら実際どうなるの?」
「症状はどうなる?治療法は?」
「入院はどんな感じ?お金はどのくらいかかるの?」

今回の記事では、そういった経験談を余すことなく語っていきます。


コロナに対する主義主張を可能な限り排し、事実だけを克明に書いていきますので皆さまの参考にしてもらえれば嬉しいです。

まずはコロナ陽性になってから退院までのスケジュールを紹介しましょう。

[4月18日] 38度の発熱
[4月19日] 発熱外来にて診察(この時点ではPCR検査はなし)
[4月21日] PCR検査にてコロナ陽性
[4月23日] 都内病院コロナ専門隔離病棟に入院
[5月7日] 退院

およそ3週間の闘病でした。入院期間はちょうど2週間です。

◆▼コロナの症状はどんなもの? 発症~PCR検査まで

4月18日 朝起きたら38度の熱と多少の咳。風邪をひいてもあまり熱を出さないので「おかしいな」とは思いました。

取り急ぎ仕事をすべてキャンセル、床に入り、回復を図ります。

4月19日 一晩寝るとたいがいの症状は治る私ですが、朝起きて寝汗びっしょりかいていたにもかかわらず熱は変わらず、38.5度と高い水準でした。

『週刊新潮 2021年5月20日夏端月増大号』

週刊新潮 2021年5月20日夏端月増大号

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4 時間前 ... 新潮社がお届けする『週刊新潮 2021年5月20日夏端月増大号』の情報 少年法が 生んだ「茨城一家4人殺傷」の怪物「快楽殺人者」を追い詰めた「593日間」捜査 の全貌.

2021年5月11日 (火)

『インドのガンジス川に多数の遺体…火葬の余力なく水葬か』

インドのガンジス川に多数の遺体…火葬の余力なく水葬か

病床と医療スタッフ、医療物資が不足し、新型コロナウイルス感染による死者が続出しているインドの北部のガンジス川で40体の遺体が発見された。タイムズ・オブ・インディア(TOI)は10日(現地時間)、「人々は川に遺体が流れくる終末論的な状況で一日を迎えなければならなかった」と伝えた。

TOIによると、遺体はインド北部のビハール州とウッタルプラデーシュ州の間のガンジス川沿いで発見された。ある地域住民は記者らに対し、「新型コロナで死亡した人の遺体を火葬する余力のない人たちが川に水葬した」とし「このために住民は川辺に行くことも恐れている」と話した。住民の間では川から流れきた遺体は150体を超えるという主張も出てきた。

現地当局は新型コロナ感染による死者の可能性があるとみて調査に着手した。ある当局者はBBCのインタビューで、遺体の状態からみて死後4、5日経過していると推定し、「遺体がウッタルプラデーシュ州から流れてきた可能性がある」と述べた。

当局は該当地域の巡察を増やす一方、遺体を川に遺棄する人を処罰すると伝えた。しかしある地域住民は「葬儀費用を負担できない人たちにとって川は最後に頼れるところ」とし「こうした人たちが遺体を川に流している」と話した。

ウッタルプラデーシュ州は人口1億9998万人で、インドで最も人口が多い州。累計感染者数は130万人を超え、インド各州のうち3番目に多い。

これに先立ちウォールストリートジャーナル(WSJ)は「先月ウッタルプラデーシュ州で行われた地方選挙で労働組合の反対にもかかわらず数十万人の公務員が投票所に動員された」とし「多数の人々が新型コロナに感染し、健康管理も受けられず死亡している」と報じた。

52歳の高校教師は選挙を支援したが、数十人と共に小さな部屋の中で過ごさなければならなかった。この教師はのどの痛みなど新型コロナの症状があったが、病院で病床を確保できず死亡した。この教師の弟はWSJに「最後まで引き止めたが、選挙を支援せず停職になれば家族を養えないと言うのでどうすることもできなかった」と話した。

現地公務員労働組合によると、ウッタルプラデーシュ州では選挙直後に700人以上の教師を含む2000人以上の公務員が死亡した。

この日、世界保健機関(WHO)は英国発の変異ウイルス、南アフリカ発の変異ウイルス、ブラジル発の変異ウイルスに続き、インド発の変異ウイルスを「憂慮変異(variant of concern)」に分類すると明らかにした。これに先立ちWHOはインド発の変異ウイルスを「関心変異」に分類してきたが、今回、危険度を引き上げた。

WHOの新型コロナ技術チーム長は「インド発の変異ウイルスが高い伝染性を持つことを示唆する情報がある」とし「このためインド発の変異を国際的水準の憂慮変異に分類する」と明らかにした。

外部サイト

『足りないはずの「ワクチン」が余る病院が出てきた残念な背景』

足りないはずの「ワクチン」が余る病院が出てきた残念な背景

足りないはずの「ワクチン」が余る病院が出てきた残念な背景

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2ヵ月近く、行き場のないまま眠っているワクチン 

7月末までに高齢者への接種を終え、7月中には一般の人たちへの接種開始という政府の方針のもと、各地方自治体が対応に追われている。

ワクチン供給量が少なく、どの自治体でも予約があっという間にいっぱいになる状態が続いているが、実はワクチンが余っているところがあると、都内のある病院関係者は言う。

「3月上旬から医療従事者へのワクチン接種が始まり、それに伴って、基本型接種施設にワクチンが分配されましたが、その基本型接種施設にワクチンが余っているのです」

医療従事者に優先接種するために、東京都では基本型接種施設と連携型接種施設を選定した。基本型接種施設というのは、新型コロナウイルスワクチンを医療従事者に優先接種するため、超低温冷凍庫を設置し、1000人以上の医療従事者に接種を実施する施設のこと。連携型接種施設というのは、基本型接種施設からワクチンを分配してもらって、およそ100人以上の医療従事者に接種を実施する施設のことだ。

基本型接種施設は、自分の病院と連携型接種施設で必要なワクチンを東京都に申請し、送ってもらう。

必要な数だけ送られてくるなら問題はないが、そうはいかない。というのは、ファイザー製のワクチンは1箱に195バイアル入っていて、たとえば200バイアル必要ということになると、2箱送られてくるのだ。つまりこの場合、「使うあてのないワクチン」が190バイアル出てきてしまう。

「聞くところによると、300バイアル余っている病院もあるそうです」 

1バイアルで6回接種できるから、300バイアルなら1800回分。

今、東京都には163の基本型接種施設がある(東京都1694報より)。仮に1施設100バイアル余っているとしたら、16300バイアル余っていることになり、これは9万7800回分になる。

ワクチンの在庫を国や自治体は把握できているのか

200バイアル必要なところに2箱(195バイアル×2)送ったら、余ることは、だれにでもわかる。

「だから、余った分をどうすればいいかを問い合わせているのですが何度問い合わせても、きちんとした返事が返ってこないのです」 

余っているなら、不足しているところに譲ればいいと思うが、

「当初、基本型接種施設に届けられたワクチンは医療従事者以外の接種が認められず、東京都に問い合わせたところ、“4月末に向けて、医療従事者向けの予約システムを作成中なので、もう少し待って欲しい”との回答がありました。 

うちの病院では、ワクチンを無駄にしてはいけないということで、余った分のワクチンのみ院外の医療従事者にも接種すること決めましたが、基本型接種施設になっているような大病院は、たいていコロナ患者を受け入れています。ワクチン接種に人を割くこともできないし、接種会場となるスペースを確保するのもむずかしい…」 

結果、多くの基本型接種施設でワクチンが行き場を失っている可能性があるという。

国はワクチンの接種実績や在庫管理をするためにV-SYS(ワクチン接種円滑化システム)を構築した。このシステムの説明によると、ワクチン接種を行う医療機関などは接種実績やワクチン在庫等の登録をV-SYSに入力することになっているが、実際は、在庫を入力する項目がなく、接種回数のみを登録するようになっているという。しかし、1バイアルから、5回と6回接種する注射器が混在しているので、接種回数から残りの在庫数を割り出すのは不可能だ。

それでは、どうやって国や東京都は、各施設にある在庫を把握しているのだろうか。

「ファイザー社のワクチンは、“1箱に195バイアル”という単位で支給されることは最初から説明されていました。であれば当然、余りが生じるのもわかっていたのですから、それを無駄なく使うためには何が必要か考えられたはずです。 

すべてが、行き当たりばったりで決められているので、そのたびに電話で確認しなければならない…。先を見越した運用がなぜできないのでしょう」 

不具合多発の東京都の医療従事者用予約システム… 

基本型接種施設と連携型接種施設以外の一般の医療従事者へのワクチン接種開始は3月上旬から予定されていたが、東京都の予約サイトが開設されたのは4月26日。しかも、翌日の27日には不具合が生じ、サイトでの受付が停止され電話だけの対応になり、5月11日に再開予定だ。

使用期限までに使い切らないと廃棄の恐れも

「もう一つ、キャンセルが出た場合、どうするかという問題もあります。東京都に問い合わせても、病院で代わりになる人を探してほしいと言われました。探せと言われても……」 

ということで、この基本型接種施設では自力で近隣の調剤薬局などの医療関係者や消防署に声をかけているという。 

河野大臣はキャンセルが出た場合、クーポンの有無にかかわらず、無駄にせず接種してほしいと言っているが、

「今回の新型コロナのワクチン接種には健康保険が適用され、接種を受けた人の住民票がある自治体から各医療機関に診療報酬が支払われます。記録を残せばいいということなら、予診票等をコピーしてクーポンの代わりにすることができますが、その集計はだれがどのようにするのか。クーポンを持っていない人にも接種していいということのなら、せめてそのときはどうすればいいのか、マニュアルを作ってほしいですね」

すべて自治体や医療機関に丸投げ。「地域の状況に合わせて」という言葉は耳障りがいいが、接種方法は自治体に任せたとしても、クーポンを持っていない人が接種する場合などのマニュアルは国が用意しても、地域の実情に合わないものになるとは思えない。

余ることはわかっているのに、コロナ対応で手いっぱいの病院に使い道を任せているのもわからない。

ファイザー製のワクチンは、超低温冷凍庫で保存していれば6ヵ月はもつといわれるが、作られてすぐ日本に届くわけではない。

「3月上旬に届いた最初のワクチンの使用期間は6月末まで、4月下旬に届いたものも7月末までです。この期限を過ぎたものは接種できません」 

「無駄なく、無駄なく」とかけ声をかけるばかりでなく、無駄なく使うためのシステムを考えるのが国の仕事ではないのだろうか。

取材・文:中川いづみ

『河野大臣「1日1万人接種は自衛隊次第」発言』

行政改革担当相 河野太郎(58) (c)朝日新聞社© AERA dot. 提供 行政改革担当相 河野太郎(58) (c)朝日新聞社

 ワクチン接種が進まない中、菅義偉首相が突如として1日1万人接種できる大規模会場を設置する計画を発表した。各省庁に混乱や困惑が生じている。AERA 2021年5月17日号から。

*  *  *

「できる、できないじゃない。やるしかないんだ」

 菅義偉首相の側近の一人が、コロナ対策に関わる関係省庁の事務方を前に、こうまくしたてた。それは、遅々として進まない新型コロナウイルスワクチンの接種状況に業を煮やしたのか菅首相が突然、「1日1万人接種できる大規模会場を東京と大阪に設置する計画」を発表した直後の会合だった。

■3連敗後の大規模接種

 この計画がマスコミにリークされたのが4月25日。この日は、北海道、長野、広島で行われた二つの補欠選挙と再選挙の投票日だった。事実上(北海道2区には自民党は候補者を擁立していない)、自民党は立憲民主党と野党統一候補に全て敗北。総選挙、東京都議選を目前に控える菅政権にとって、この「3タテ」は大変な痛手だった。そこで政権浮揚の一手で官邸がぶち上げたのが同計画だったと見る人は永田町には少なくない。事前に何も聞かされていなかった関係省庁の幹部は動揺を隠せなかった。

「都内に大規模接種センターまでつくる話が『案』ではなく具体的な『計画』として決定されていた。各省庁への根回しは一切なし。医療従事者への接種さえ全国で滞っているのに、どうやって実現するのか」(厚生労働省幹部)

 ゴールデンウィーク終盤、今度はワクチン接種に関して当事者のはずの河野太郎・新型コロナウイルスワクチン接種推進担当相はテレビでこう発言した。

「1万人になるかどうかは自衛隊の検討次第だと思います」

 この計画の成功の可否は自衛隊にかかっているというのだ。自衛隊には全国の陸・海・空自に医官と呼ばれる医師の資格を持つ自衛官がいる。しかし、その全てをこの計画に動員するのはそもそも困難だ。ワクチン接種は自衛隊の本来業務ではない上、これら医官は有事や災害派遣に備える必要がある。彼らが勤務する病院の日常業務もある。昨年、横浜に寄港した大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号でクラスターが発生した時、自衛隊が乗り込まざるを得なかったが、主たる任務を担ったのは医官ではなかった。派遣の根拠は「自衛隊法に基づく災害派遣」だった。河野氏は防衛相経験者でもあるので、この計画を自衛隊が主導する難しさを誰よりも知っているはずだ。河野氏に先立ち、岸信夫防衛相はテレビ番組で「最初から100%というのは難しいかもしれない」と官邸を牽制(けんせい)した。

■防衛省関係者も困惑

 こうした混乱の最中、冒頭の菅首相側近の発言が飛び出す。結局、誰が計画の陣頭指揮を執るのか。責任の所在は誰なのかが全く不明確なまま「1日1万人」「大規模接種センター」など威勢のいい言葉だけが独り歩きする。そもそも「3密回避」「外出自粛」を訴え緊急事態宣言を出している政府が、地元ではなく「電車に乗って都心(千代田区大手町)の大規模接種会場まで来て」と言うのも矛盾している。その地元でも感染者が日々、増加。医療は逼迫(ひっぱく)し、ワクチン接種のスピードも追いついていない。名指しされた防衛省の関係者は困惑する。

「ワクチン接種の管轄は当たり前だが厚労省だろう。まずは医師会など医療関係者を動かすのが先決だ。自衛隊の仕事は国防ですよ」

 自民党内には河野氏に同情する声も少なくはない。そもそも行政改革を担当する河野氏に、新型コロナ対策の切り札である「ワクチン接種」の責任を菅首相は半ば押しつけた。このポストは責任重大だが、防衛省、厚労省のように大臣の一言で動かせる直轄の事務方がいない。つまり、手足がないのだ。結局、他の省庁と連携しながら政策を進めるしかないが、すでに各省庁も手いっぱいだ。そもそも、このポストを受けることを河野氏は固辞したという。

■「ポスト菅」への牽制

 こんな自民党関係者の証言もある。

「永田町ではこの人事は、『ポスト菅』の筆頭である河野氏に対する『当てつけ』という話があるくらいです。ワクチンが失敗すれば河野氏の責任。成功すれば菅氏の手柄。官邸はあえて閣内に取り込んだ河野氏に、ワクチンという難題を押しつけることで『ポスト菅』を牽制する意味合いがあるとまで言われています」

(編集部・中原一歩)

※AERA 2021年5月17日号より抜粋

『菅首相、「最低会見」で遠のく五輪開催への道』

 
5月7日に緊急事態宣言の延長などを決め、記者会見する菅義偉首相(壇上中央、写真:時事)© 東洋経済オンライン 5月7日に緊急事態宣言の延長などを決め、記者会見する菅義偉首相(壇上中央、写真:時事)

 全国的なコロナ感染急拡大を受けて、菅義偉首相が緊急事態宣言の期間延長と対象地域の拡大に追い込まれた。

 5月7日夜に記者会見した菅首相は「人流が減ったのは事実」の一点張りで感染抑制の失敗を認めず、新たな期限となった5月31日での宣言解除の条件も明確にできなかった。

 野党からは「過去に比べても最低の会見」(立憲民主党幹部)との失望と批判が噴出。2カ月半後に迫る東京五輪・パラリンピックの中止・延期論を一段と加速させる結果となった。

1日100万回の接種は「かなり困難」

 菅首相はこの会見で「先頭に立って接種の加速化を実現する」と繰り返した。しかし、目標とする1日100万回の接種を実現することは、「現状ではかなり困難」(政府分科会メンバー)と指摘されている。

 五輪参加選手へのワクチン優先接種も打ち出したが、こちらも日本選手の間で特別扱いへの困惑や不安が広がっている。

 会見と前後してネット上で始まった東京五輪の中止を求める署名運動にも、わずか数日で数十万筆の署名が集まった。このため、永田町では「誰が中止を言い出すのか」(閣僚経験者)といった観測が飛びかうなど、政局運営での菅首相の求心力低下も際立つ。

 菅首相は7日の政府対策本部で、東京や大阪など4都府県に発令中の緊急事態宣言を5月末まで延長することを正式決定。感染が急拡大している愛知、福岡を12日から宣言対象に加えることも決めた。

 7日に記者会見した菅首相は、「感染対策の決め手となるのがワクチン。安心した日常の復活は、いかに多くの方にワクチン接種ができるかどうかにかかっている」と力説。「1日100万回の接種を目標とし、7月末を念頭に希望するすべての高齢者に2回の接種を終わらせるよう、政府としてあらゆる手段を尽くす」と語った。

 菅首相は「ワクチン(接種)の加速化を実行すること、そしてそれまでの間に感染拡大を食い止めること。この2つの作戦に先頭に立って取り組む」と何度も強調。一方、感染が収まらずに宣言延長に追い込まれたことを問われても、「人流の減少という所期の目的は達成できた」とむきになって言い返すだけだった。

 こうした首相の対応については政府分科会のメンバーからも「人流を減らすのは手段で、目的は感染を抑えることなのに」と不満と困惑の声が相次ぐ。首相サイドからは「これでだめなら、もはや感染を抑える対策は見当たらない」とあきらめに似た声も漏れてくる。

 菅首相は「ワクチンが最後の砦」(側近)として、接種の加速化に猛進するしかなくなったとみられ、多くの政府与党幹部は「菅さんと会ってもワクチンの話しかしなくなった」と苦笑する。

五輪のために帳尻合わせ

 1日当たり100万人接種という目標についても、「五輪開催のための帳尻合わせの数字」(閣僚経験者)との指摘が相次ぐ。

 菅首相はこれまで「7月末までに高齢者全員に2回のワクチン接種を済ませる」と繰り返してきた。現状では、全国的なワクチン接種本格化は5月下旬からと見込まれており、「7月末までの約70日間に3600万人の高齢者への2回接種を済ませるには、計算上1日100万回前後の接種が必要」(分科会メンバー)というわけだ。

 そこで問題となるのが、接種の主体となる地方自治体の体制整備だ。これについて菅首相は「1700のうち1000の自治体で(7月末までの高齢者接種完了は)可能との報告を受けている」と説明した。

 これは、菅首相の強い指示を受けた総務省が全国の自治体に回答を求めた結果だ。しかし、多くの自治体トップは「いきなり7月末までの接種完了が可能かどうかを項目別に回答する〇✕式の文書が送られてきたので、努力目標との意味でほとんどに〇をつけざるをえなかった」と苦しい胸の内を明かす。有力県知事は「むしろ✕を付けた700の自治体のほうが正直な反応」と解説する。

 こうした実態を菅首相が理解したうえで、「7月末までの完遂」を宣言したのかどうか不明だが、首相秘書官経験者は「今の秘書官は首相が不機嫌になるような報告はしないようだ」と首をかしげる。その上で「現状を無視したような発言メモを首相に渡す秘書官の責任も大きい」と苦言を呈する。

 さらに、菅首相は「東京五輪の開催に向け、ファイザー社などから出場する各国・地域の選手団に無償でワクチンの提供の申し出を受けた」と誇らしげに説明。「当然、日本の選手団にも接種をしたい。そういう方向になるだろう」と語った。ただ、具体的な接種開始時期などには踏み込まなかった。

 ワクチン接種にはさまざまな副反応が起こるだけに、「体調管理に極めて敏感な選手たちにとって、接種への不安は一般国民よりはるかに大きい」(五輪関係者)のは常識だ。しかも、2回の接種によって抗体ができるまでには約1カ月かかることから、「どんなに遅れても、5月中には1回目の接種を済ませる必要がある」(同)とみられているが、政府は期限も示していない。

「優先接種」に相次ぐ困惑の声

 一方で、国民の間には「アスリートファーストは理解できるが、特別扱いには抵抗がある」との声も少なくない。五輪参加が決まっている有力選手からも「選手としては接種を受けたいが、一国民の立場からは優先接種に抵抗がある」などと困惑の声が相次ぐ。

 そうした状況も国民の間での五輪中止・延期論を加速させている。日本弁護士連合会の元会長である宇都宮健児弁護士は5日、署名サイトを通じて「人々の命と暮らしを守るために、東京五輪の開催中止を求めます」と国民に呼び掛け、数日間で数十万筆に達した。

 こうした世論も選手への強い圧迫となっている。白血病による長期療養を経て東京五輪代表入りを決めた競泳の池江璃花子選手も7日、五輪への反対などの声が寄せられていることについて、ツイッターで「この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです。私は何も変えることができません」と苦悩する思いを書き込んだ。

 今回の宣言延長で最大の注目は「5月末の期限で解除できるのか」(閣僚経験者)という点だ。菅首相は会見などで「まず、感染爆発状態のステージ4から脱却することが重要」とあいまいな表現を繰り返した。これに対し、政府分科会の尾身茂会長は「今回は変異株が極めて重要な要素だ。解除は今まで以上に慎重にやる必要がある」と語った。

 尾身氏が解除の基準として挙げたのは、感染状況がステージ4を脱し、安定的な下降傾向を示すことや逼迫する医療提供体制の改善などだ。そのうえで「下げ止まってすぐに解除すると、リバウンドが来る。2~3週間はぐっと我慢することが必要だ」と力説した。これを現状に当てはめると、連休後も感染増加が際立つ東京では、「解除まで最低1カ月が必要」(都幹部)ということになる。

 大型連休明けの週末となった8日の国内の新規感染者数は約4カ月ぶりに7000人の大台を超えた。1日当たりの新規感染者としてはこれまでで4番目に多く、重症者は過去最多の1131人、死者は計86人と事態の深刻化が際立つ。

 東京の新規感染者1121人は約3カ月半ぶりの数字で、1021人だった大阪府を上回った。岡山や広島、熊本など計14道県で過去最多となるなど、感染は全国に拡大している。

 国会では10日、菅首相も出席しての衆参両院予算委の集中審議が実施された。午前の衆院予算委では立憲民主党の枝野幸男代表が宣言延長について、「根拠なき楽観論で対応が遅れ、同じ失敗を繰り返してきた」と厳しく批判したが、菅首相は「客観的な数値で専門家の意見を聞いて判断している」とメモを読みながら反論した。

政府のコロナ対応評価は最低に

 枝野氏は東京五輪についても「現状をみる限り、判断は先送りできない」と中止の決断を求めたが、菅首相は「安全安心な大会に向け全力を尽くす」との文言を呪文のように繰り返すだけ。コロナ対応と五輪開催の可否については結局、「お定まりの政府と野党の押し問答」(閣僚経験者)に終始した。

 10日に相次いで公表された世論調査によると、下げ止まっていた内閣支持率は数ポイント下落し、不支持率が上昇。政府のコロナ対応の評価はいずれも20%台と政権発足後最低となった。菅首相が打ち出す「高齢者へのワクチン接種7月完了」についても「できるとは思わない」が7割以上となった。

 与党内では「もはやワクチン接種と五輪開催の可否で政権の命運が決まる」(自民長老)との見方が急速に広がっている。「ワクチン接種が目標より遅れ、感染拡大が続く中での五輪開催となれば、国民の政権への不満が爆発する」(同)という判断からだ。

 これに絡んで政界関係者の間では「五輪主催者の小池百合子東京都知事が、6月1日の都議会初日で五輪開催中止をぶち上げる」とのうわさまで飛びかう。10日の参院予算委で立憲民主の蓮舫代表代行が「小池さんが五輪中止を言い出すという話もあるが」と水を向けたが、菅首相は「お答えする立場にない」と苦笑いでかわした。

 ただ、永田町では「そんな『ポスト菅』絡みでの政局的観測が広がること自体が菅政権の末期症状の表れ」(同)との声も多い。宣言の期限が切れる5月末までが「菅首相の命運を左右する3週間」(自民幹部)となるのは間違いなさそうだ。

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